「わぁぁぁぁ!!」
賢ちゃんの大声で目を覚ました。
あたしたちは、賢ちゃんの家のリビングに寝転がっており。
賢ちゃんはあたしの隣で上半身を起こし、固まっていた。
「どうしたの、賢ちゃん?」
朝から騒がしいな。
そう思ったが、
「咲良!
昨日俺、寝たのか?
俺のスティック、使わなかったのか」
またまたお馬鹿発言。
そんな賢ちゃんに、「馬鹿」なんて言いながら、ふと思う。
昨日あのまま、賢ちゃんが寝なかったらどうなったのだろう。
あたしは、賢ちゃんに抱かれていたの?
想像するだけで、身体が熱くなる。
まるで賢ちゃんに抱かれたように、ちりちりと内側から焦げる。
今まで二十四年間生きてきて、もちろん彼氏がいたことはある。
そして、関係を持ったこともある。
だけど、賢ちゃんは特別なんだ。
こんなにドキドキして、心を乱されて、虜にされるのは初めて。