だけど、やっぱり素直になれなくて。




「賢ちゃん、女慣れしてるでしょ?

だから、口先だけでペラペラ喋るんだ」




失礼極まりないあたし。

だけど、賢ちゃんは怒ったりなんてしなくて。

複雑な顔をしてあたしを見た。





「女って、甘いことを言ったらすぐにオチるよな。

そんなもんだと思ってた」



「はぁ?ウザい!」




そう言いながらも、あたしの胸の中はモヤモヤする。

やっぱり本当なのか、賢ちゃんがチャラいってことは。




あたし、正直賢ちゃんに本気になっている。

だけど、賢ちゃんは本気じゃないのかもしれない。






「だけど……

今回はそうはいかねぇな。

咲良の考えていることが分からねぇ」



「はぁ……」




そう答えつつも、身体がおかしくなるほどドキドキする。

ライブは終わったっていうのに、ありえないほど気分が高揚する。