「俺が心配してんのは、咲良ちゃんだよ。

お前、咲良ちゃんをもてあそんでどうするんだ?」



「は?」



「あの娘は本気だろうよ」



「望むところだ」




俺の言葉に、優弥が驚いて慎吾を見る。

優弥がこんな顔をして人に同意を求めるなんて、初めて見た。

そして、慎吾も変な顔をしている。





「賢一。悪いもの食べた?」



「シェフだからそれはねぇ」



「それなら……どうしちゃったの?

なんで賢一が乙女になってんの?」



「訳わかんねー」




俺は、自分をあざ笑っていた。