ー賢一sideー






「やべー。俺、寝てねぇんだよ」




俺は隣の慎吾にヒソヒソ話す。




「なんで?」




少し驚く慎吾。

なんでって決まってる。

隣に咲良がいたから。

俺のスティックが反応しすぎて、睡眠どころではなかった。





「お前、大丈夫か」




優弥には聞こえないように言ったのに、地獄耳の優弥は話に入ってくる。

俺はわざとチッと舌打ちした。





「大丈夫って何だよ。

もとから頭狂ってるぞ」



「それは分かる」




優弥は笑いもせず、俺を突っぱねる。