D室 『マオ、勇気』 マオside 「悪かったな勇気、迷惑かけちまったな」 俺はガシガシと頭の後ろの方を掻く。 少しバツが悪い。 「なぁ、ひとつ聞いてもええか?」 「あ?」 「岸兄(きしあに)って何の病気やねん」 ドキッと胸がざわつくのがわかった。 「俺に体の事で嘘はつけんで、俺ん家さ総合病院やってねん」 「他の奴にいわねぇって約束できっか?」 「あたりめぇだろ」