「あ、うん」 桜田が僕に声をかけると、やっと雪乃は僕に気づいたようで鋭く睨みつけてきた。 さすがに……こわい…。 ミジンコ並の僕の心はすぐにすくむ。 当たり前だ今までずっといじめられっ子だったんだから。 屋上から桜田と谷が出ていくと、たちまち静寂が訪れた。 こんなに静かだったのか。 桜田といる時も多々静寂が訪れるが、それは心地よい静寂だった。