恋蛍~君の見ている風景~【恋蛍 side story】

王道な順序通りに発展するよりもずっと、あたしたちの絆は深いもので。


出逢った日から3年以上が経っていた。


東京に初雪が舞った日に、ようやく、あたしと潤一の交際がスタートした。


きっと、あたしたちは何だかんだとこの先ずっと一緒で。


もし、あたしたちにピリオドの瞬間が訪れるとしたら、それはおそらく互いに年老いたその時で。


死がふたりを別つ、その時。


例えこの先、結婚しようがしまいが。


潤一は世界中のあちらこちらで写真を撮り続ける。


そんな彼の帰国をあたしは呆れながらものんびり待ちわびて。


味付けの濃い肉じゃがを一緒に食べて、同じベッドで身を寄せあって眠る。


そんなふうに、この先を歩んで行くんだろうなあ。


そう思った。











交際が始まってちょうど1週間だった。


仕事後にアトリエに立ち寄ると、潤一は慌ただしくスーツケースに荷物を詰め込んでいた。


「ちょっと行って来るから」


翌朝、日本を発つと言う。


「また? 先週帰って来たばかりなのに」


きちんと交際宣言をした手前、潤一も一応気を使うようになったらしい。


初めて事前報告があった。


フランスに行って来る、と。