といいつつ、着物の下に

服は来たままだったから

そんなに恥ずかしい姿にはならないんだけどね。

最近人前での着替えにもなれてきたし。

とりあえずお見苦しいものは

見えないように配慮はするけどさ。


「貴也、もういいよ。

それ下ろしてこっち来て。」


脱いだものはまだそのまま。

ただ私だけではこれは着れないから。


「なに、どこ。」


「私の後ろ。

ファスナーあげて。」


「はぁ?」


「他にいないんだから。

寒いから早く~。」


「ったく、仕方ねーな。」


久しぶりに着るこのミニドレス。

ベアタイプだから後ろファスナーだし

自分だけじゃ着れないし

けっこうお気に入りなのに

私服では着れないから

こういう機会がないと着れないしね。


「できた。」


「ありがと!」


それから着物をきれいにたたんで

袋へしまい、

代わりにパンプスも取りだし、

昨日つけたティアラも

頭につけた。


「よし、できた。」


「じゃあ行くか。」


「うん!」


カーディガンを羽織って

寒いから走ってホテルへと入る。

さすがに真冬の夕方だからね。