居場所をください。




そして私はケーキを食べ終わり、

片付けてからまた立ち上がった。


「そろそろ帰ります。」


「明日MV撮影だったよね。

早朝からだけど頑張ってね。」


「はい!」


「亜樹、送っていきなさい。」


「はいはい。

どうせ荷物持ちだろ。」


おばさんに言われ、亜樹も立ち上がった。


「ありがとね。」


「なんか袋とかねーの?」


確かに。

大きな箱2つだもんね。


「ちょっと待ってね。」


おばさんは袋を探しに行った。


「美鈴ちゃん、レコ大もう少しだね。」


「期待しないでくださいね。」


「期待するよ!

あと5日かぁ。それが仕事納めかな。」


「受賞できれば、ですけどね。」


「美鈴ちゃんなら大丈夫だよ。」


「ありがとうございます。」


新人賞、か。


「なぁ、なんで敬語?」


亜樹が私に聞いてきた。


「仕事の話をするときは敬語。

社長だもん。」


「ふーん。」


「オンとオフの切り替えがしっかりできてて

美鈴ちゃんはすごいよ。」


「そんなことないよ。」