居場所をください。




えーと、カギカギ…。


「あ、そういえば…。」


「は?」


「合鍵も…あげたや。」


「合鍵?」


「うん。

いつでも来ていいよって。」


それから、私が帰ると

部屋に貴也がいるようになったんだよね。


あの頃はあの部屋に帰るのが

楽しみで仕方なかったんだよね。


……………なんか、もう遠い昔のようだよ。

思い出になんかしたくないよ。


「…て、ごめん。

今開けるね。」


ボーッとしてた。

…思い出に、ひたってたよ。


「はい、どーぞ。」


といってもまだエントランス。

部屋はもう少し先だ。