高野は私の中で常に私のことを見ているんだ。
私が何をして、何を食べ、誰といるか。両目を大きく見開いて唇を真一文字に伸ばして観察している。
そこに行けるならば……
「それで、私はこれからどうしたらいい」
「考えは変わらないんですか?」
「だいたいの検討はついてるわよ」
「なぜそんなに早く」
「高野はどのくらいだった? あの女は? あの四人は?」
「…………よくお分かりになりましたね」
「私を甘くみないで」
「失礼しました。高野さんは八年、ナオミさんは十五年です。ほかの四人は私の担当ではなかったので把握していません」
「そんなに長く。私は」
「アユミさんはまだ五年です」
「一番短くても分かるのは一番早かったのね」
「もちろん、そうならずに飽きるまで続けて飽きたらやめていく人もたくさんいます」
「そんなの、つまらないじゃない」

