5日後には残りの二体も肉が腐って溶けてきた。私はその上に乗るような形になって寝ている。
私の重さで二人の肉は溶け合い一つになっていく。
土色に変色した体にはもはや魅力はなかった。あるのは朽ち果てるまでの時間を楽しむことだ。だから、
溶けてべっとりとした二人の肉を自分の体に、頭から爪先まで塗りつけて、同じような姿になって横たわってみた。
これがこの二人の見ている世界か。
違う。
この二人の見ている世界はこれじゃない。私とこいつらは、ぜんぜん違う。
「私は、こいつらみたいにはなれない」
どうやったらこいつらと同じ感情を手に入れることができるんだろう。
こいつらは私の知らない世界を、「今はそこにいるんだ」
そこで、何を見て、何を感じて、何をしているの?
今までに殺してきたアイツラと私はいる場所がぜんぜん違う。
「そこはどういうところなの? そこに行きたい」
あの少年はそのやり方を知っているんだろうか。きっと知っているはずだ。
『もっと他に面白いことがある』
いったいどんなことなんだろう。考えれば考えるほど、それを知るのが楽しみになる。

