「こっちの二人はどこで? いやただ、興味があるもので。体に穴があいていますけれど。しかも同じところに」
「こんなもの、見てわかるでしょう? 串刺しにしたのよ。初歩的なことじゃない。古いやり方で簡単なことだわ」
「一人の場合は。でもこれは二人ともです」
「行為の最中にね、作ってみたの。背中をぶっすり差し込んだから、どうしたって離れられないでしょう? 入れたまま離れられなくさせてあげたのよ」
「女性の方の形相は鬼のようですけれど、これは?」
そんなの当たり前だ。男の方が先に果てたんだから。痛みに強いのは女の方だっていうのは間違いじゃなかった。串刺しにされた腹部から流れる赤い血を見てまずは男が狂った。
下になっている女の顔をひっきまくり、女の顔は血だらけにになっていた。離れようにも離れられずに男は女に暴言を吐いた。
どうあがいても抜くことのできないこの二人は恐怖にお互いの体を傷つけ始めた。
女は男の腕や腹を。男は女の顔や胸を。
「その光景、あなたにも見せてあげあかった」
「……高野さんにですか?」
「違うわよ。あなたによ。彼はもっとすごいことを経験してるでしょう? 分かるの。私の中でそう言ってるのが聞こえるから」

