コーヒーを飲み干したあたりから徐々に眠くなるはずだ。まず異変に気づいたのは男のほうだった。
「これ、なんかおかしくないか」
「……わたし、眠くなってきた」
「……これって、」
男が立ち上がろうとしたけれどすぐに力なくかくんと膝をつく。そのうちに女はゆっくりと眠りに落ちていった。男の方は自分の頬を叩いたり、なんとか意識を保とうとしていたが、
「ほら、聞いてみて。私、こんなに緊張してる」
男の手を取り自分の胸に押し当てる。「ね。わかる?」
息をのみ、咄嗟に視線を横に向けるがそこには既に眠りに落ちて脱力している女がいるだけだ。
「……なんで。こんなこと」
動揺している姿がたまらなくいい。
男の顔を撫で、ソファーにもたれかけさせて頭を上に向かせるとゆるりとしながら意識は遠くの方へ引っ張られて行った。
意識を戻す前にこいつらを隣の部屋に運び、男はベッドの上に両手両足広げてをくくりつけ固定し、女は両手両足を固定し、口にも粘着テープを貼り付けてその辺に転がしておく。

