「あなたたちは死体とやってるみたいでいいと言った。私にはそれが分からなかった。でも、今なら分かる」


 上にまたがり、銅をつかみゆっくりと動く。何も言わないこの人形は私が動くたびに合わせてガクガクと揺れている。

 スキンステープラーで止めたところから血が溢れてきた。


「やはり少し凍らせればよかった」でも待てなかった。


 そうか、こんな気持ちだったのか。

 こいつらはみんなこんな感じだったんだ。

 何も言わない人形の腕を頭の上に持ち上げようとしたけど、重くて、しかも下に向けて止めてあるので上には上がらなかった。


 冷たい顔を撫でる。


 首に手を回し、ゆっくりと締め上げた。




「今なら分かる。あなたたちの気持ち。これは……やめられない」



 飽きるまで遊んで飽きたら桜の木のあそこへ持っていけばいい。だから、すぐ近くのこのアパートを借りたんだ。


 私の中にいるあの人も、今の私のことをきっと気に入ってくれるはず。



 私は私の中にいる彼のことを思いながら、ギシッギシッといつまでも音を立たせていた。










DARUMA.終