ハメごろし


 鼻息荒くフーフーと唸っていて、首をぶんぶん左右に振って残りの腕を力任せに動かしもがいている。

 恐怖に恐れる顔がいい。それを見ながら今度は足に刃を滑らせる。

 足の付け根に刃を当てると今まで以上に激しく体を揺さぶった。

 激しくバタつかせる足のせいでガタンガタンとベッドが揺れる。動く。


「今度は、足を落とそうかな」


「ん__ん__ん__」


「何か言いたくても言えないよね。あなたはそのまま言いたいことも言えず、悔しくて悔しくて仕方なくて、ことばをひとことも発っせないままに、逝くのよ」

「_____!!!」

「あなたは最後は死ぬの。ほら見て、これから足を落とすわ。そのあともう片方の腕、それからもう片方の足、最後に首を落とす」


 眼球が落ちそうになるほど目を見開き、白目は血走り始めている。

 鼻水が溢れてきたところで、


「泣いてもいいけど鼻水はよくないわ。あなた、窒息死するわよ」