『おまえは頭がいいしあたしに似ているからね』



 おばあちゃんはおじいちゃんを殺した時に自分の中の何かが変わったのに気づいたと言った。


 首を絞めた感覚が忘れられないって言った。


 もう一度やりたいって思ったけど、それをやる前に自分の娘に殺されてしまった。



 おばあちゃんは鏡に一番執着していた。



 外国製のアンティークな鏡はおじいちゃんからの最初のプレゼントだった。まだ優しかった頃の。あったかくて幸せだった頃の。


 だからその鏡の中に飛び込んだんだ。



 そして、復讐に出た。わたしというフィルターを通して自由に行き来して一族全てを殺す気だ。





『おまえは殺さないよ。おまえはあたしだからね』




 私の知らないところで私のこの手で人が殺されている。



 両親もそう、そして、叔父さん、今度はあなたがターゲットになっている。



 鬼のような形相で叔父さんにまとわりついているおばあちゃんがいる。


 早く気づいて。


 じゃないと……




 殺されちゃうよ。