『いいかい、何もしゃべるんじゃないよ。お前と私は一心同体だ。お前の希望通りにお前を虐待していた両親を殺してやった。お前はあたしと約束したんだよ。お前を守るかわりにあたしを自由にするってねえ。口を開いたらお前もあいつらみたいに全身の皮を剥ぎ取ってそれをお前自身に食わせてやるからね』


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『ねえ、おばあちゃんてどんな人だったの?』

『え? あ、ああ、おばあちゃんね、ええと、そうね、ちょっと気がおかしくなってしまってね、お母さんの近くにはいなかったのよ。だからよく分からないの』

『気がおかしくなったってなに?』

『そうねえ、んー、よくないことをしてしまってね、しばらく側にいられなかったの』

『今はどこにいるの?』

『今はもういないわ。お空に行っちゃったから』

『死んじゃったの?』

『そうね』

『なんだか可哀想』

『そんなことないわ。それでみんな安心したんだから』



 でも、おばあちゃんは殺されたんだよね?



 ねえ、おかあさん。刑務所から出てきたおばあちゃんをその日のうちに寝ている間に殺したんだよね?




 おばあちゃんがおじいちゃんを殺したからって、でもそれっておじいちゃんがおばあちゃんに暴力をふるったからだよね?


 それでも、刑務所から帰ってきたおばあちゃんがおじいちゃんみたいになって今度は自分に暴力をふるうかもしれないって、そんな風におかしくなったおかあさんは同じようにおばあちゃんを殺したんだよね。