私の名前を知っているのは彼だけだ。
声のした方に顔を向けると、そこにはまだ高校生くらいと思われる体の線の細い少年がびくびくしながら立っていた。
身長も145くらいしかない。小さくて細い。半袖のシャツからのぞく腕は白くて細いが滑らかでもちもちしている。
顔は頬がふっくらとしていて柔らかそうだ。体は服で隠されていてよく分からないが、そんなことどうでもいい。
喉が上下する。
「……あなたは」
「ああ、よかった。高野さんに聞いてた日にちよりだいぶ遅いからどうしたのかと思ってました」
ぱあっと顔が明るくなった。
「……高野に?」
「はい。アユミさんという女性がここに来るので、その人にこれを渡すように頼まれていたんです」
おずおずと差し出してきた紙袋は大きめので、受け取ると結構な重さがあった。
中を開くとスコップと、
「手紙?」

