「幻滅っていうか……嫌になったり……しません?」
ゆっくりと顔を上げ、恐る恐る問いかける。
大体、幻滅もなにも、彼の中で、私のスタート地点がどこなのかわからないけど。
そんな突っ込みを入れつつ、上目で顔色を窺いながら、ビクビクと返答を待つ。
神宮司さんは、間髪入れずにきょとんとした顔でサラリと言った。
「え? なんで? しないよ、そんなの」
なんていうのかな。まるで、海のように広く深い安心感を与えてくれるとでもいうのかな。
その包容力が心地よくて。だから、ついなんでも話してしまいたくなる。
「あ、そうだ」
ボーッと神宮司さんの顔を見つめていると、何かを思い出したように空を仰いだ。
目をぱちくりとさせ、彼の横顔を見る。
再び顔を下げ、私を振り向いた表情は、太陽のように眩しく輝いていた。
「今度、新作ケーキのモニターになってよ。また連絡するから」
そういう表情を引き出せるのは、決まって仕事のことなんだと思う。
仕事相手にヤキモチを妬くわけじゃないけれど、ちょっとだけそういう存在になってみたいと憧れる。
「もちろんです。私で力になれるなら」
「サンキュー! あ、やば。今日、ホントに早めに戻らなきゃなんだ」
神宮司さんは、公園の時計を見上げて言うと、慌てた様子で食べかけのサンドイッチを頬張った。
ゆっくりと顔を上げ、恐る恐る問いかける。
大体、幻滅もなにも、彼の中で、私のスタート地点がどこなのかわからないけど。
そんな突っ込みを入れつつ、上目で顔色を窺いながら、ビクビクと返答を待つ。
神宮司さんは、間髪入れずにきょとんとした顔でサラリと言った。
「え? なんで? しないよ、そんなの」
なんていうのかな。まるで、海のように広く深い安心感を与えてくれるとでもいうのかな。
その包容力が心地よくて。だから、ついなんでも話してしまいたくなる。
「あ、そうだ」
ボーッと神宮司さんの顔を見つめていると、何かを思い出したように空を仰いだ。
目をぱちくりとさせ、彼の横顔を見る。
再び顔を下げ、私を振り向いた表情は、太陽のように眩しく輝いていた。
「今度、新作ケーキのモニターになってよ。また連絡するから」
そういう表情を引き出せるのは、決まって仕事のことなんだと思う。
仕事相手にヤキモチを妬くわけじゃないけれど、ちょっとだけそういう存在になってみたいと憧れる。
「もちろんです。私で力になれるなら」
「サンキュー! あ、やば。今日、ホントに早めに戻らなきゃなんだ」
神宮司さんは、公園の時計を見上げて言うと、慌てた様子で食べかけのサンドイッチを頬張った。



