地下鉄に乗り込みながら、悶々と自分の気持ちを追いかける。
志穂ちゃんが初め食いついたのは、あの遥さんっていう人。
でも、今は神宮司さんのことも興味あるみたいだから……やきもきしてる?
「河村さん!」
「えっ。あ、ごめん!」
考え事に夢中になって、すっかり志穂ちゃんの存在を忘れてしまっていた。
少し大きめに呼ばれた拍子に我に返り、謝罪すると、志穂ちゃんが大きい方の紙袋を差し出してくる。
「私、次で降りるので。これ、どうぞ」
「これって……」
「チーズケーキ、好きなんですよね?」
その袋は、ランコントゥルのものだ。
すぐに理解できずにいると、志穂ちゃんが開口した。
「私、太りやすいし、元々甘いもの自体好きってわけじゃないので。チーズケーキ選んだので、よければ。今日のお礼です」
ガタン、とブレーキがかかってよろけてしまう。
反対に、よろけないハイヒールの志穂ちゃんを見て、目を点にする。
「それじゃ。お疲れ様です」
挨拶を簡単に終えた彼女は、軽快に地下鉄から降り、エスカレーターへと向かって行く。
私は、閉まる扉の窓越しに、その後ろ姿を茫然と眺めた。
……やっぱり、気をつけた方がいいのかも。
とはいえ、なにを気をつけるべきか、わかんないけど。
今日、沙月ちゃんが言っていたことをふと思い出してしまった。
再度発車した地下鉄に揺られながら、手にしたケーキの袋に視線を落とす。
またケーキ……。いや、全然食べれるし、うれしいんだけど。
ただ、そろそろ気をつけなきゃ、年齢的にも代謝が落ちてそう……。
意図して言った言葉かどうかは定かじゃないけれど、志穂ちゃんに言われた言葉に釘を刺された気がして、手にある大好きなスイーツを素直に喜べない。
志穂ちゃんが初め食いついたのは、あの遥さんっていう人。
でも、今は神宮司さんのことも興味あるみたいだから……やきもきしてる?
「河村さん!」
「えっ。あ、ごめん!」
考え事に夢中になって、すっかり志穂ちゃんの存在を忘れてしまっていた。
少し大きめに呼ばれた拍子に我に返り、謝罪すると、志穂ちゃんが大きい方の紙袋を差し出してくる。
「私、次で降りるので。これ、どうぞ」
「これって……」
「チーズケーキ、好きなんですよね?」
その袋は、ランコントゥルのものだ。
すぐに理解できずにいると、志穂ちゃんが開口した。
「私、太りやすいし、元々甘いもの自体好きってわけじゃないので。チーズケーキ選んだので、よければ。今日のお礼です」
ガタン、とブレーキがかかってよろけてしまう。
反対に、よろけないハイヒールの志穂ちゃんを見て、目を点にする。
「それじゃ。お疲れ様です」
挨拶を簡単に終えた彼女は、軽快に地下鉄から降り、エスカレーターへと向かって行く。
私は、閉まる扉の窓越しに、その後ろ姿を茫然と眺めた。
……やっぱり、気をつけた方がいいのかも。
とはいえ、なにを気をつけるべきか、わかんないけど。
今日、沙月ちゃんが言っていたことをふと思い出してしまった。
再度発車した地下鉄に揺られながら、手にしたケーキの袋に視線を落とす。
またケーキ……。いや、全然食べれるし、うれしいんだけど。
ただ、そろそろ気をつけなきゃ、年齢的にも代謝が落ちてそう……。
意図して言った言葉かどうかは定かじゃないけれど、志穂ちゃんに言われた言葉に釘を刺された気がして、手にある大好きなスイーツを素直に喜べない。



