そしてコンクール当日。


「凛音、緊張すんなよ。」


今はホールにて最終練習。

一人15分間与えられているんだ。


「う、うん。」


「はは、緊張しすぎ。」


え……優希が声出して笑った。

……………遠くで表情見えなかった!!

悔しい。


「じゃあ弾けよ。

課題曲はその緊張感保てよ。

自由曲は楽しめ。忘れんなよ。」


「うん。」



優希は審査員の席に座り、私のピアノを聴いた。



「最後のとこ、もう少し強くていい。

ここまで響かせろ。」


「うん。」


短い時間だけど、優希が的確に指示してくれるおかげで

短時間でもすぐに修正できる。