◆◇◆◇◆◇◆◇◆

秋の過ごしやすい季節から一変、冷たい空気と共に雪がチラつきはじめていた。

アリスは暖かい部屋で本を読んでいた。


「…また勉強か、アリス。」


シドが部屋へ入ってきた。

この時間は大臣達と乗馬の筈…


「…雪が降ってきたから中止になったんだ。」


「…わぁ。。」


アリスは窓辺に立って外を眺めた。

フワフワと舞い散る雪が次第に城の庭を白く覆っていった。



「…昔、雪が降ると勉強そっちのけでルイと遊んだもんだ。」

シドも窓辺に立ち、懐かしむように呟いた。


「…アリスも姉上と遊んだりしたのか?」


シドの言葉にアリスは昔の事を思い出した。


ソフィアは体調が悪く、部屋にこもっていた。

一緒に遊ぼうと誘いに行っても、メイドに止められてしまった。

それに、遊ぶ時間など昔からアリスにはなかった。



「…アリス?」


急に黙り込んだアリスに、シドが顔を覗き込んだ。


「…ううん、何でもない。。」