時々怠そうにしているし、あまり走り回ってもいない。足を気にするような仕草も見せている。

足が痛いのか、具合でも悪いのかな、と少し心配しながら彼の姿を追う私だけど、海姫ちゃんは軽い調子で言う。


「彼にとってはお遊び程度なんじゃない? うちのクラス、とびきりサッカーが上手な男子ってそんなにいないし」

「あー、そっか……」


5組でサッカー部に入っているのはひとりだけ。

4組には数人部員がいるし、たしかに律が本気を出すまでもないのかも。

納得していると、ありさが私にコソッと耳打ちしてくる。


「それもあって恭哉はあんな挑発をしたのかもね。余裕で勝てるってわかってたから」

「それ、うちのクラスの男子にかなり失礼だけどね」


少し離れたところで、友達と試合を眺めているキョウをちらっと見やり、私は苦笑いした。



結果は、キョウの思惑通り、3対1で律のクラスの勝利。

これで、私達は4人で遊びに行くことが決定したわけだ。

望んでいたことだけど、ちゃんと決まると急に緊張してきちゃう。

いったいどうなるだろう……。