無表情のキョウと、ムスッとしている私を見て笑うありさは、少しだけ考えを巡らせて、ぽんと手を叩いた。


「わかった、じゃあこうしよう!」


何かを思い付いたらしい彼女を、キョウと一緒に見つめる。

ありさはニッと口角を上げて、得意げにこんなことを言う。


「逢坂くんも誘って、皆でどこか遊びに行くの」


予想していなかった提案に、私は目をぱちぱちとしばたたかせる。


「何で?」

「これで仲良くなれば、向こうも心開いてくれるかもしれないじゃん! そしたら、事情をちょっとでも話してくれるかもよ?」


なるほど……。

そんな簡単には話してくれなさそうな気がするけど、仲を深めることには何の問題もないよね。

私も、律に近付きたいって純粋に思うし。


「どこ行くー? 遊園地行きたくない?」

「ありさも行くのかよ」


すでに行く気でわくわくしているありさを見て、キョウが眉をひそめた。

ありさは当然というようにしっかり頷く。