「よしっ、これから逢坂くんの情報集めよ。そしたら何かわかるかもしれないし」


表情を明るくした彼女は、私の肩に手を置いて、まっすぐ目を見つめてくる。


「再会できただけで、小夜はでっかいチャンス掴んでるじゃん。まだ絶望するのは早いよ!」

「ありさ……」


前向きなその言葉は、私の心にほのかな希望の光を灯してくれる。

たしかに、再会できなかったらあのまま諦めていただろう。

でも今、彼はこんなにすぐ近くにいるんだ。このチャンスを無駄にしちゃいけない。


もしかしたら、えっちゃんが“律のことは忘れてほしい”と言った理由もわかるかもしれないし。

律が私のことをどう思っていようと、やっぱり納得できないまま終わりにしたくないもん。

もう少し悪あがきしてもいいよね?


「……うん。ありがと」


頷いて口角を上げる私を見て、ありさとキョウは安心したように微笑んでいた。