うそ……これ、律が私宛てに書いた手紙……！？


信じられない思いで文字を追うと、私の名前の下には、“15歳の誕生日、おめでとう”と書かれている。

15歳って、えっちゃんのふりをして手紙をくれたのと同じ、中学３年の時のじゃない。

何でそんなものが……と考えると、さっきのえっちゃんの言葉が蘇る。


『病気のことや、自分の気持ちを何度も書こうとしたらしいんだけど、文章めちゃくちゃだし、どうにも手が動かなくなるって』


もしかして、これはその時の一枚……？

だとすれば、律の本心がここに記されているはず。

緊張でドキドキしながら、私はさらに読み進めていった。



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　　　緒方 小夜さま


　15歳の誕生日、おめでとう。

　電話で直接言えなくてごめん。
　声を聞いたら、絶対会いたくなるからさ。


　これは、俺からの最初で最後の手紙です。

　苦手だと言って、ずっと書かなかったけど、
　今回は言っておかなきゃいけないことがあるんだ。


　単刀直入に言うけど

　俺、病気になったんだ。

　不治の病って言われてる、難病に。