さっき転んだ時も、律が手放すことはなかったその袋からは、綺麗にラッピングされたものが覗いている。

もしかして、誕生日プレゼント……?

驚きつつそれを受け取る私に、律はわずかに嘲笑を浮かべて力無く言う。


「俺が守れるのは……これしかなかったよ」


──“この先、俺が誰かを守ることはできない。そんな自信がないんだ”


私が海で告白した時に、彼が言った言葉とリンクする。

私を守ることができないと言ったのは、まさか身体が原因……?

そう考えると、今の一言からも無念さが痛いほど伝わってきて、まぶたの裏が熱くなる。


「カエルの絆創膏も、持ってないしな……」


転んだ時にすりむいた私の手を、まだ震える手でそっと撫でながら、律は言った。

私がブランコで怪我をして、手当てしてくれた時のこと、覚えていてくれたんだ……。


一気に視界が歪んで、涙が溢れる。

握った手にぎゅっと力を込めて、彼の柔らかな髪に頬を寄せた。


「……言ったでしょ? 私は、律がそばにいてくれればそれでいい。それだけで幸せなんだよ」


だから、もう謝らないで。

自分を無力だと思わないで──。