「全ての始まりとなった場所へ来い。

ダイレクトメールを送る時点で
私に恨みを持つ人物しか考えられない。

そして、この場所で何が起こったか知る人物の
中で少なからず関係のある人物の仕業。

だから…別に黒幕が居ると判断した。」


「……へぇ。
それだけで『飯嶌組』の騒ぎが嘘だと?」


「貴女には分からないわ。

自分の気持ちばかりで、
相手の気持ちを考えない人には。」


「……なんですって…?」


私もそうだった。

自分の気持ちばかりで周りの気持ちなんて
少しも考えてなかった。

あの時の私は純粋で黒く、醜い感情に縛られて
復讐に囚われていたの。

今のこの子の様に……。


「それに、面白い事を言うのね。
「無理解な奴ら」?

そう言う貴女も周りの事を
理解しようとしないのに自分の事は

理解しろと喚(わめ)くのね?」


同じ境遇同士、だからこそ私に出来る事を。


朱音sideEND