『え、颯真が帰ってないんですか…?』


〈うん。

遅いから帰って来たら説教しようと思ったが
まだ帰ってないんだ。〉


疾風さんの言葉が頭の中で木霊の様に響く。


『私達…最近、颯真と距離を置いてたんです。

私と湊が襲われて、その後にも色々あって。
狙いは私と蒼月みたいなんですッ!

だから、だから『暫く距離を置こう』って!』


私達と関わると狙われると思って遠ざけたのに
颯真が狙われてしまった?

なんで…なんで颯真を!!


〈……朱羽ちゃん、心当たりはあるか?〉


ドクン…


『そ、れは……。』


言って良いの?
『攫ったのは碧かもしれない』と。