「…ハァ……それで、殴られた事に腹立ってな?」 直ぐに殴り返そうとしたんだ。 「でも、顔を見た瞬間に俺の身体は停止した。」 面白い位に動かない身体で、 相手の顔を何度も何度も見る。 同じ顔が目の前にある事が、 こんな事があるのかと疑問が頭を埋め尽くした。 まさか…まさか。 確定出来ないのに、 俺の目が頭が身体が全てが…訴えている。 コイツは俺の弟だ。 俺のたった一人の…。 まだ分からないのに、 笑い方を忘れていた俺は自然と笑っていた。