月、満ちる夜に


「月が見たいな……」


「はぁ? ……少し待て」


 立ち上がった成実は、座敷の端に歩み寄って障子に手をかける。


 静かに音もなく開けた空間には、闇に浮かぶ橙色をした月があって安堵した。


「成実、やはり斬らねばならないと思うか?」


「母親をお斬りになるか。義姫の父、最上義守を敵に回すことになるぞ」


「そうだな」


「いっそ、謀ったのは弟君ということにしてはどうか」


「そうだな」


「では、早速」



.