月、満ちる夜に


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「若……」


 香月とは違う、低い男の声に戻ったのだと自覚する。


「気がつかれたか」


 俺が目を開けたのを見て、側で看病していたのだろう、伊達成実が安堵した表情を浮かべる。


「母上は……」


「義姫は若暗殺の疑いにより、離れにて謹慎されておいでだ」


「……そうか」


「若におかれては、すぐにも毒を吐き出されたご様子。大事ないと薬師は申していた」


 無意識に毒を飲み込む寸前で、死を恐れたせいだろうか。



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