月、満ちる夜に


「そうだな」


 寂しいと感じてくれるのは心地よかった。


 だからいつもの自信に満ちた表情で、とっておきの秘密を教えてやる。


「今日は俺の誕生日なんだ」


「えっ」


 びっくりしたように目を瞬かせる彼女に、さすがに俺の誕生日までは知らなかったかと得心したのだが。


「あ、そうか。旧暦だと八月三日って今日なんだ」


 知ってたのか!


「ったく、敵わない」


 俺は笑って彼女の頭を撫でた。



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