月、満ちる夜に


 夢の中だというのに、自分の気遣いに呆れてしまうが。


 理想の世界に住む彼女は、きっと自分にとって理想の伴侶像なのだろう。


 だからかまわないと心に言い聞かせて。


「どうやら成仏できそうだ。おまえのおかげだ」


 香月ははっとこちらを見たあと、なぜか顔を赤くしてから吹っ切ったようにうなずいた。


「そっか、よかった」


 最後に笑っている顔が見たいと思うと、予想どおりにっこりと微笑みを見せて言う。


「あの席また空いちゃうね」


 教室の席のことを言っているのだとわかって、眉を寄せた。



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