月、満ちる夜に


 自分はまだ死んでない。


 夢と思っていたあの光景は、自分の未来だ。


 香月とともに過ごした教室。


 今日一緒に帰ったこと。


 夜、香月が追いかけてきたこと。


 それらこそ、夢。


 だが待て、待てよ。


 待ってくれ!


 夢だとしても、俺は――!


「伊達君!」


 身体が大きく揺さぶられた気がした。



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