月、満ちる夜に


 自覚すると急に眠くなってきた。


「伊達君!」


 悲鳴のような香月の呼び声に、はっとなる。


「……透けてるよ?」


 泣きそうな表情で、香月が言った。


 自分の両の手を確かめ、次いで足元を見下ろす。


 急速な睡魔は、さざ波のように途絶えることなく訪れる。


 香月から真実を突きつけられた今こそ――。


 目を背けていた現実を受け入れるべきじゃないだろうか。


 そうすれば、今度こそ成仏できるのかもしれない。


 そう思った。



.