月、満ちる夜に


 伊達君は唇を歪めて笑った。


 いや、笑顔なんかじゃない。


 鎮まらぬ怒りが、目を唇を歪ませたのだ。


「だから俺は父を殺した。城を守るために。それがあの人の望みならそうしたいと思った。たとえ、母や家臣に恨まれようとも」


 そう言った伊達君を、わたしは否定もできずにただ見つめるだけだった。



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