「どうして……」
「俺が父を殺したから。その葬儀の場だ。家臣の目もある」
伊達君の目に怒りがよみがえっていく。
わたしは言葉につまった。
なんて慰めればいいのか分からない。
わたしにとっては五百年も昔の戦国武将なのだとしても、彼は幽霊になった現在も過去に苦しみつづけているのだ。
「伊達君……。怒っちゃ駄目だよ」
「どうして? 毒を盛られて母に憎まれるのが腹の立たない問題なのか? 父を殺したことで恨まれていたのは知っている。母にとって俺は非情な人間に見えただろう。だが、父を人質に捕られ、城を守らなければならなかった俺になにができた?」
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