瞬きをするようなその一瞬に目の錯覚を疑ったけれど、内心では驚きに凍りついていた。
握りしめる腕にぬくもりを感じない。
どうして?
愕然とするわたしの心中に呼応するように、ほんのりと指先にぬくもりが伝わってきた。
「身体が透けてくると眠くなる。そして、夢を見る」
「夢……?」
ああ、と頷く伊達君の手を握りしめたまま、わたしは問い返す。
手を離せばまた体温がなくなり、消えてしまうのではないかと思った。
「気づくと目の前に母がいて、おぞましいものを見るような目で俺を見ている。飲みなさいと出された杯に毒が入っていることはわかっているのに俺は口をつけなくてはならないんだ」
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