月、満ちる夜に


 またわけのわからないことを言い始めたと、伊達君を見上げる。


 すると、彼はすっと腕を上げて街灯の光に手を翳した。


「えっ……」


 それを見て、わたしは言葉を失ってしまう。


 伊達君の太く長い指が、光を浴びて白っぽく光っている。


 いや、違う。


 掌が透けて、その向こうにある街灯が見えているのだ。


「嘘っ!」


 わたしは慌てて伊達君の腕を掴んだ。


 ふと色彩をなくしていた腕が元の肌の色に戻る。



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