月、満ちる夜に


 空を見上げ、虫の音に耳を澄ませながら伊達君はしんみりとうなずく。


「だが、この時代は真新しいものばかりで楽しいから、気の済むまで過ごすのも悪くない」


「……」


 ねえ伊達君。


 あなたは、お寺や神社に行って祈祷とかお祓い、そういうのをしてもらうほうがいいのかもしれないね。


 わたしは口には出さずにそんなことを思う。


 それに。


「伊達君、家はないんだよね? 学校で寝泊まりしてるの?」


「ときどき消えるんだ」



.