月、満ちる夜に


 伊達君が笑った。


 目の奥の鎮まることのない怒りをあらわにして。


 だからわたしは確信した。


 伊達君を怒らせた理由。

 それは伊達政宗が死んだ事実を伝えるもの。


 ただ、わたしが歴史の授業で習ったときの記憶が確かなら、彼は毒殺されたわけではないのだけれど。


 でも真相はどうであれ、もしも伊達君が伊達政宗本人だったとしたら、彼の未来でもあるわけだから知らなくて当然の事実だ。


 ということは、今、目の前にいる自分とそう年の変わらない学生姿の彼は、伊達政宗という結論に結びついてしまうのだ。



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