月、満ちる夜に


 伊達君はわたしを面白そうに見て、少し嬉しそうに口を開く。


「伊達政宗、知ってるのか?」


 確認するように、はっきりと名を繰り返される。


 わたしはうなずいて、突拍子のない発想をごまかすように俯いた。


「あ、うん。伊達君は、眼帯してるから伊達政宗とイメージが重なって」


「右目は小さい頃に病を患って失った」


「そう、だったんだ。伊達君、そんなところまで伊達政宗と一緒なんだ」


 思わず呟くと、伊達君は驚いたように目を見開いた。



.