月、満ちる夜に


「あそこの遊具の奥から音が聞こえて、伊達君かなと思って」


 おそるおそるそう言うと、伊達君はそちらに目を向けたあと、なぜかくすりと笑った。


 彼は下に目を落として、手頃な小石を拾い上げる。


「なに?」


「まあ見てて」


 なにやら楽しげに伊達君は小石を遊具に向けて投げた。


 放物線を描いて飛んでいった小石は、どこへ落ちたのか暗すぎてわたしには分からない。


 だけど、カンッと遊具に跳ね当たる音がして、伊達君の狙いどおりに飛んでいったのだと分かる。


 それと同時に、低い位置を小さな二対の光が走り抜ける。



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