月、満ちる夜に


 人気のない公園。


 空には星はなく、鈍い橙色をした月が浮かんでいた。


 りりりりと、秋の虫の音が聴こえる。


 公園内にそっと足を踏み入れて人影を探すが、伊達君の姿はない。


 学校まで戻ってみようか。


 やはりあの場所は幽霊が溶け込んで、人の記憶まで塗り替えられているのだ。


 伊達君はいわゆる地縛霊というやつで、あの場所に拘りがあるんじゃないだろうか?


 そう思って踵を返した時、カタンと遊具のある方から音がした。



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