月、満ちる夜に


「ならないならない。彼氏もいないって言ってるでしょ。送ってくれた人を殴っちゃ駄目よ、お父さん」


「じゃあお父さんはお祖父ちゃんには」


「だからなれないってば!」


 呆れて思わず半眼になるわたしに、父親はようやく諦めたようで話を逸らす。


「しかし眼帯の伊達君って、まるで現代の伊達政宗公だな」


「……え?」


 わたしの胸の内の違和感が、スッと消えた。


「……伊達政宗?」



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