月、満ちる夜に


 伊達君は優しく目を細めて再び歩き始めた。


 家まで送ってもらったわたしは、礼を言って彼と別れた。


 親はわたしの頭に巻かれた包帯に驚いたようで、執拗に事情を聞きたがったけれど適当に答えておいた。


 だって理由が恥ずかしい。


 伊達君と目が合った途端、気絶するだなんて。


 一目惚れしたと誤解されても困るし。


 そう思って言わなかったのに、わたしの両親はとても好奇心旺盛な人たちだった。


「香月を送ってくれた男の子、彼氏?」


「なに? そうなのか、香月?」



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