月、満ちる夜に


 伊達君は唇を噛みしめて、なにかに耐えているようだった。


 だけど、やがて真実が知りたいと、そんな表情に変化していく。


「――なら、今この国は日本じゃないってことか?」


「ううん、日本だよ。戦争には負けたけど侵略はされなかったから、武器を放棄して国を建て直したんだよ。昔の人は、みんな一から頑張ったの」


「武器を放棄して……?」


 うん、と頷きながら、わたしは伊達君の制服を見る。


 時代を感じさせるものじゃない。


 ごく普通にわたしたちが着ているものと変わらない、何年か前に切り替わった新しいデザインの制服だ。



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