月、満ちる夜に


 どうしてだろう?


 幽霊なのに掌があったかい。


「こんな日本を見たいと思っていた。親兄弟が憎み合うこともなく、誰も殺し合うことのない、秩序のある平和な日本を」


 殺し合う?


 なんだかとってもヤバそうな響きだ。


 もしかしたら、伊達君は――。


「この時代の人じゃないとか?」


 第二次世界対戦とか、あるいはもっと昔の人ってことも。


 空襲にも耐えたという、わたしの高校は創立からやたらと長いのだ。


 その時代の幽霊が住みついていてもおかしくはない。



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